ある時からライブロックに苔が発生するようになりました。それから赤いシアノバクテリアも発生するようになり、水換えのたびに苔まみれのライブロックを歯ブラシ等で掃除していました。当時飼っていたセンジュイソギンチャクもだんだん小さくなっていき、リセット寸前までいきましたが盛り返して元の水槽に戻すことができました。推定原因と解決策を紹介します。
海水水槽リセットの危機 発生の経過
海水水槽立ち上げて1年半が経過したころ、徐々に水槽の状態が悪化していきました。
最終的にはシアノバクテリアの赤い膜がライブロックや底砂表面も覆われ、見るに堪えない状態までなってしまいました。
掃除したり、水を多めに変えたりしても効果がありませんでした。
具体的にはどうなったか
2018年5月に海水水槽を立ち上げてから2019年5月の1年間は順調でした。
2019年12月頃からライブロックにコケが付くようになりました。
ライブロックに付いていたサンゴがダメになり、ライブロックに住んでいたカニもまったく見なくなりました。
大きかったセンジュイソギンチャクも日に日に白くなってあまり大きく開かなくなっていきました。
テッポウエビとギンガハゼ、カクレクマノミは元気でしたが、デバスズメダイが居なくなりました。
毎週飼育水でライブロックのコケ等を歯ブラシで取っていたのですが、2020年2月の頃はシアノバクテリアの赤い膜が、1週間もするとライブロックや底砂表面を覆ってきてしまい、どうしようもない状態になってきてしまいました。
淡水水槽の経験から。水槽リセットをしないとダメかなと思いました。
ライブロックにもっさりついたコケ。ライトに当たると光合成しているのか泡が付いてきます。
シアノバクテリアはくっついているというか膜状に覆っている感じなので。底砂のはプロホースで吸えますし、ライブロックについているのも簡単に取れはするのですが、一週間もするとあっという間に広がっていきます。
影響を受けた生物
- センジュイソギンチャク 白化&小型化
- ライブロックの微生物死滅(カニ、テッポウエビ)
- デバスズメダイ全滅
あがいてみた
コケにはコケ取り生物ということで、いろいろ追加してみました。
- マガキガイ 2匹
- タカラガイ 10匹
- ヤエヤマギンポ 1匹
- サザエ 1匹(鮮魚店で食用で売っていたもの)
- カエルウオ 1匹
コケを食べるということで購入したヤエヤマギンポは、ライブロックに生えたコケはお気に召さなかったみたいで、何も食べずにみるみる痩せていき☆になってしまいました。
次に入れたカエルウオ。こちらもあまりコケを食べません。ただこいつは雑食性で、クマノミのエサにも食いつきましたので、餓死することなく今でも水槽にいます。
鮮魚店で買ってきたサザエですが、あまり期待したほどライブロックのコケを食べてくれませんでした。
けっこう歯が鋭く、ガラス面のコケを食べるとガラス面に傷がついてしまいました。
鮮魚店に売っている大きなサザエはやめておいたほうがいいです。
今回分かったことは、急に生えてきたもさもさ系のコケは、コケ取り生物はあまり食べてくれないコケだったようです。なのでどんどん増えていったものと思われます
かわいそうなことをしてしまったヤエヤマギンポ
役に立たないばかりか、ガラス水槽に傷を残してくれたサザエ。
水槽リセットの危機からの復帰
ネットでいろいろ調べてみると、ライブロックには普通コケはつかないとのこと。
ただの岩ならコケはつくのですが、生きている石ということでいろいろな微生物がいたり、石灰藻等が成長していたりするので、コケなんて付くことはないというのです。
ということはコケがついているうちのライブロックが普通ではないということになります。
海水から出した時に嗅いでみると、ちょっと臭い匂いがしました。
これはライブロックが死んでいる証のようです。水をきれいにするライブロックが死ぬと逆に水を汚していってしまいます。
何かしらの原因により、ライブロックが死んでしまい(住んでいる微生物等が死滅)水を汚していたということになります。
原因が推定できたので、対処していきます。
ライブロック総入れ替え
ライブロックが原因ということで、新しいライブロックを通販で注文。総交換なので約5㎏購入。15,000円くらいかかりました。
今回届いた生きのいいライブロックを嗅ぐと、磯の香りがしました。
さっそく死んでしまったライブロックを全部取り出します。
こちらはとりあえず庭に放置。
イソギンチャクも剥がします。
底砂はプロホースでシアノバクテリアを除去し、そのまま利用しました。
水も10L程交換して終了。
RO水導入
今まで海水は水道水を使っていましたが、水道水に含まれる鉱物成分やリン成分等が蓄積していくとコケの発生源になるとの情報もありましたので、水道水からミネラルを除去し純水に近くするため、交換する海水はRO水にしました。
リセット無しでのシアノバクテリア汚染からの復活
最初の1カ月はそれでもコケは発生した
ライブロックを交換した後ですが、表面にコケがつきました。
ライブロックが正常ならコケはつかないのでは?ガセネタ?
と思いつつも1週間に一度コケ取りと水替えを継続。
するとだんだんシアノバクテリアが付く範囲が狭くなり、コケの発生量も少なくなっていきました。
2ヶ月くらいするとほぼコケも発生しなくなり、完全復活しました。
良かった。
一週間目
砂にはシアノバクテリアが一部発生し、ライブロック表面も茶色く覆われている。
1か月後
ついに底砂からシアノバクテリアが出なくなりました。
ライブロックも石灰藻の赤紫がきれいに見え、コケも少なくなってきている
2か月後
コケはほとんどライブロックから見なくなりました。完全に復活です。
ライブロックについた石灰藻が赤紫できれいです。
ライブロックがダメになった推定原因
ライブロックを交換して無事復活できたわけですが、またそうならないように推定原因を洗い出して対策を打っておかなくてはなりません。
数ヶ月かけて悪くなっていきましたので、なかなか原因を一つに確定するのは難しいのですが、洗い出してみました。
温度計故障による温度調整ミス
直接的に一番の原因として考えられるのが温度調整ミスです。
秋頃、設置した水温計をみると22℃くらいを指していました。25℃設定なのにこれはまずいと、ヒーターをコントロールしているクーラーの温度値をみると、25℃くらい。
水温計は水槽内の温度を直接測定しており、クーラーの方はホースから循環してくる水温を見ています。この時はクーラーの方の温度がおかしいと思ってしまいました。
なので、クーラー側のオフセット設定で3℃程下げる調整を行いました。そうするとヒーターが作動して水温が上がり、外付けの水温計も25℃くらいになりました。
次の水替え時に水槽に手を入れるといつもよりぬるい感じ。
不安になったので、Tetraの水温計を買ってきて入れてみると28、29℃を指します。
信じていた前の外付けの温度計(GEX)が故障して温度がオフセットされて表示されていたようです。
慌ててクーラーのオフセット設定を元に戻しました。Tetraの水温値とクーラーの水温値はほぼ一緒でした。
高温(急に3℃程変化)にしてしまったことで、ライブロックの微生物にダメージを与えてしまったと思われます。
この後から徐々にコケが増えていったような気がします。
水温計の故障もあり得るので、温度変更する前に違う温度計でチェックする
殺菌灯の電球切れ
殺菌灯を設置しています。海水に含まれる病原菌やコケの胞子などを殺菌してくれます。
ただし、殺菌灯が1年くらいで切れてしまいます。
殺菌灯がついていると、本体側面が光っており、切れると光らなくなるので切れたかどうかわかるのですが、設置場所が水槽台の下なのでドアを開けないと見れません。
今回も気づいた時には切れていました。急いで発注し交換しました。
殺菌灯が切れていた期間は数週間くらいだったかもしれません。
殺菌灯は毎週切れていないかチェックし、交換灯を1本常備することにしました
コバルトスズメ隔離
コバルトスズメを2匹購入しました。
小さい頃、親が海水水槽やってまして、その時に水槽にいたのがコバルトスズメでした。
真っ青で綺麗ですし思い出の魚だったので、気が強いとは聞いていましたが購入したのです。
水槽に慣れてくるとそれぞれナワバリを主張し出しました。
入ってくる他の魚を追い回します。
また、1番困ったのが巣作りのためか底砂を掘って砂を巻き上げるようになってしまったことです。
結構一生懸命に砂を掘るので、巻き上げられた砂やデトリタスがライブロックに積もります。
ライブロックが悪くなり始めた頃と、巣作りを始めた時期と重なります。
あまりにもやりすぎなので、可哀想ですが隔離させていただきました。
隔離後は砂が巻き上げられることもなくなり、他の魚も追い回されなくなり、水槽内が平和になりました。
新規で魚を導入するときには、正確や特性を調べて今の水槽に合うかよく考えてから導入する
まとめ
リセットの危機からさらに1年経過しました。海水水槽は非常に安定していると思います。
温度計が数度オフセットして故障し、思い込みで温度をいじってライブロックが死滅して今回のリセット危機になりましたが、しっかり対策をうてたのでリセットせずまた長期維持することができています。
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