クマノミが入る大きなイソギンチャクを3年程飼育しています。最初に飼ったセンジュイソギンチャクは私の失敗で3年目に☆にしてしまいました。数年飼ってみて分かったこと、失敗してしまったことを記事にしてみました。
イソギンチャクについて
イソギンチャクは無脊椎動物です。
日本の磯などではウメボシイソギンチャク等、小型のイソギンチャクを見ることが多いのですが、暖かい海ではクマノミ等と共生する大型のイソギンチャクが生息しています。
イソギンチャクは触手に毒を持っていて、魚を捉えている栄養にするイメージが強いですが、体内に褐虫藻を共生させているものもおり、光合成によって得られたエネルギーを褐虫藻から得て生きることができます。
太陽光で生活できる動物ということで、移動できいないサンゴ等にくらべ移動もできてしまう究極の生物なのではないか?と思ってしまします。
センジュイソギンチャクについて
センジュイソギチャクは前にも記載しましたが、カクレクマノミが入るイソギンチャクの一つです。
触手は他のイソギンチャクに比べて太く、中心部に口があります。
触手には弱めですが毒がありますので、触る時はビニール手袋等で保護します。
水流に関係なく自分で触手をゆらゆらゆらします。触手の先端が光を感知するようで、照明に向かって触手を伸ばします。
本体のカラーはいろいろあり、私が購入したのは本体が薄紫で先端が蛍光グリーンの個体。これが一般的なカラーです。
その他にはもう少し全体が青いのや赤っぽいのもあるようです。
販売されているサイズはだいたい30㎝以上で小型のものはあまり採取できないようで流通していません。大きくなると自然界では1mを超えてくるようです。
イソギンチャクの中では丈夫な部類で、水温は25℃前後±3℃くらいは平気なようです。
光は必要ですが15m前後の水深に住んでいることから強い光は必要なく、LEDでも十分飼育できます。
エサは必要ありません。共生させた褐虫藻からのエネルギーで生活しますので。
熱帯魚のエサが触手についたときはゆっくり丸まってエサを口に運びます。
クマノミとの共生
カクレクマノミと共生します。うちの場合は後からカクレクマノミを入れたのですが一目散にセンジュイソギチャクに入っていきました。
クマノミは24時間ほぼ離れません。エサを食べに行ってもすぐにイソギンチャクに戻ってきます。
たまにイソギンチャクの口から出す茶色い物体(褐虫藻や口に入れたエサ等)をカクレクマノミが食べている様子が見られます。しかももっと出せという感じでイソギンチャクの口をつついてたりします。
また、たまに触手を咥えていたりします。共生といってもイソギンチャク側のメリット少ないんじゃないかと思いますね。一方的にクマノミが利用しているような。
センジュイソギンチャクはよく動く
センジュイソギチャクは飼って初めて分かったのですが、想像以上によく動く生物です。
夜は巾着
ライトが消えて暗くなるとセンジュイソギチャクはすぐさま丸くなります。よくぞここまで変化するなあと思います。まさしく巾着です。
カクレクマノミは追い出されるかっこうになり、先端部でオロオロしています。
ただ、2,30分するとまたゆっくり開くのでクマノミは安心して眠ることができます。
水槽内を動き回る
事前に動くことは知っていましたが、飼ってみて初めてこれほど動くとはと思わされました。
ある日、夕方は中央部のライブロックに付いていたのですが、一晩で写真のようにあっというまに上部に移動してしまいました。
さらに10分ほど経つとさらに移動しこんな状態に。
こうなるとはがしやすいので、100円ショップで売っているシリコーン製のへらでやさしく剥がして中央部のライブロックの上に移します。
足の部分がふくらんでるのが分かると思いますが、移動するときは足をふくらませて移動していきます。早いときは数分で2,3㎝移動します。
イソギン移動による被害
センジュイソギチャクの触手には弱毒と書きましたが、それは人間に対してであって他の生物には強毒となります。
・ サンゴ:イソギンチャクと接触すると弱ってしまいますので、サンゴを一緒に飼えません。
接触したサンゴは☆になってしまいました。
・ アワビ:コケ取り用で入れていたアワビですが、ガラス面でイソギンチャクと接触したあと☆になってしまいました。
失敗!【ごめんねイソギン】
センジュイソギチャクを飼育していてセンジュイソギチャクを傷つけてしまった失敗事例を紹介します。
失敗1 水中モーターに擦られる
動き回るイソギンチャクでの被害No1要因です。
ネットで調べて知ってはいたのですが、まさか自分のところで起こるとは!というあるあるでした。
◆ある朝(たいてい夜中に動き回って、朝判明することが多かったです)水槽見るとセンジュイソギチャクが水中モーターのあたりでガラス面に貼り付いていました。
心なしか元気がないかなとよく見ると一部の触手がちぎれています。
近くの水中モーターの回転羽に巻き込まれてしまったようです。
センジュイソギチャクをガラス面からひっぺがし、ライブロックの上に置きました。
水も濁りが見られたので、30L程水換えを行ました。
この時はセンジュイソギチャクはしばらく傷が癒えるまでおとなしくライブロックの上におり、1週間ほどでボロボロになった触手も元に戻りました。
◆別の朝、他の魚でも買いに行こうかと思って水槽を覗くと水は濁り、右奥の水中モーターの横で小さくなっているセンジュイソギンチャクを見ました。
水中モーターにはネットで覆いをしていたのですが、どうやって擦られたのか。
(覆いをした後水中モーターで擦られたのはこの一回きり)
水はイソギンチャクの粘液でドロドロ。
なぜかプロテインスキマーも止まっていました。プロテインスキマー取水口を塞いで止まってしまったとのだと思います。
水中モーターを止め、プロテインスキマーを再始動させました。
イソギンチャクを剥がし、定位置へ移動。海水を急いで作って交換します。でも他の海水魚は特に異常なくそこだけが救いでした。
再始動したプロテインスキマーからは泡があふれんばかり。
スキマーが動き出すと水槽の水も徐々にきれいになっていきました。
どちらのケースでもセンジュイソギンチャクがライブロックからガラス面に移動し、水中モーターに接触したという事例です。
イソギンチャクの移動を抑えるためには
イソギンチャクが移動するのは今の環境(光量、水流、水質等)が気に入らないからだと言われています。なので気に入るような環境にできれば動きを抑えることができるはずです。
上で書いた時のようにガラス面を伝って上方に移動するケースが多かったです。
要因としては光量が足りないのではないかと考えました。
そこでライトを少し水面に近づけました。そしてセンジュイソギチャクが位置してほしい場所に1番高さのある、ほぼ直方体の石を置きました。
また、中央部の石からガラス面までの距離を取り、センジュイソギンチャクが足?を伸ばしてもガラス面まで届かないように配置しました(センジュイソギンチャクは砂地は好きでは無い)。
また、触手がいつもゆらめくぐらいな水流になるように、水中モーターの位置を調整しました。この時は弱めな水中モーターでしたので、直接当たる用意しました。
結果、石の上面を毎日少しずつ移動はしていましたが、ガラス面までの移動は数ヶ月抑えることができました。
失敗2 水質悪化によるダメージ
ある時からライブロックに苔が発生するようになりました。それから赤いシアノバクテリアも発生するようになり、水換えのたびに苔まみれのライブロックを歯ブラシ等で掃除していました。
するとみるみるセンジュイソギンチャクの色が真っ白になり、小さくなってしまいました(6ヶ月くらいかけて)
色が真っ白になり、光が当たっても大きく開くことはなくなってしまいました。
クマノミと比較しても一気に小さくなってしまいました。
実は、このころから水温計が中途半端に故障し(5℃程低く表示)ており、それに合わせてクーラー設定を変えたため実際は30℃くらいで維持してしまってました。
その結果ライブロックの生物が死滅して一気に水質が悪化してしまいました。
センジュイソギンチャク最後
ライブロックを全交換し、水質は戻ったもののかっちゅうもが抜けてしまったセンジュイソギンチャクは元に戻らず。動き回ることもしなくなりました。
購入から2年後の朝、萎れたような状態で触手を開くことはありませんでした。
宿を無くしたカクレクマノミが不安そうに周囲をうろうろ
この後ライブロックからはがして取り出しました。
まとめ
カクレクマノミと共生するセンジュイソギンチャクは、カクレクマノミが触手の間をゆらゆら動き回る姿は非常に癒されます。
少々水中モーターで触手が傷ついても復活する強い生き物です。ただし水質変化や悪化には弱いことが分かりました。
また、水槽内を縦横無尽に歩き回りますので、サンゴとは一緒に飼えません。
最後は私のミスで☆にしてしまったセンジュイソギンチャクでしたが、水温調整失敗しなければもう少し長く飼育できたのかなと思います。
次はもう少し私のアクアスキルを高めてから再チャレンジしてみたいと思います。
次はハタゴイソギンチャクを飼ってます
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