カクレクマノミにはハタゴイソギンチャク!導入時の注意や飼育について【旅籠というか毛布】

アクアライフのススメ

クマノミが入る大きなイソギンチャクを3年程飼育しています。最初に飼ったセンジュイソギンチャクは私の失敗で3年目に☆にしてしまいました。次に飼っているハタゴイソギンチャクは順調に1年以上経過しましたので、数年飼ってみて分かったこと、カクレクマノミとのことを紹介します。

この記事で分かること
ハタゴイソギンチャクの長期飼育やカクレクマノミとの関係
カクレクマノミの導入時の注意点

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ハタゴイソギンチャクについて

鹿児島県以南から西太平洋,インド洋,オーストラリア周辺に分布し、サンゴ礁の間に住むイソギンチャクです。前に紹介したセンジュイソギンチャクと同じく、カクレクマノミが入るイソギンチャクで有名です。
名前の”ハタゴも”旅籠であって、ハタゴイソギンチャクをクマノミが出たり入ったりしていることからその名が付いたそうです。実際観察しているとうちの場合は旅籠というかフトンイソギンチャクのようです。

センジュイソギンチャクに比べ触手が細く短く数が多いです。クマノミと戯れている姿を見ると掃除用のモップのようです。しかしクマノミ以外が接触するとベタっと張り付き、毒も強いため、他の生物からすると厄介でしょうね。

イソギンチャクの中でも飼育が難しいと言われていますが、オーバーフロー式ではない我が水槽でも長生きできています(2022年5月からオーバーフロー式に変更)。

カクレクマノミとの共生

ハタゴイソギンチャクがゆらゆら動いているのを見るだけでも癒されますが、やはりカクレクマノミと共生させるのが醍醐味だと思います。

エサを食べる時以外はカクレクマノミはハタゴイソギンチャクと戯れています。昼間でも体を横にしてイソギンチャクの中で休んでいたりするので、よっぽど安心できる居場所なんだと思います。

カクレクマノミの導入について

2018年7月に2匹のカクレクマノミを通販でお出迎えしました。
海水水槽立ち上げてから1か月後のことです。大きさは2匹とも2㎝くらいの子供サイズ。そこから3年元気に過ごしています。病気にもならずカクレクマノミは強いです。



一匹がみるみる大きくなり、小さい方を追っかけるようになりました。おそらくこのイソギンチャク内での順位を決めているのでしょう。そのうち小さい方はぶるぶる体を振るわせ恭順の意を示してからは平和になりました。

ただ最初は固形エサを全然食べてくれませんでした。落下するエサに興味は持つものの口に入れることはせず。4,5日経つと瘦せてきてやばいと思いました。

そこで生き餌ということでブラインシュリンプを急ぎ買ってきて、孵化して与えたところ食べてくれました。その後は固形エサもしっかり食べるようになり一安心。
導入時エサを食べない場合はブラインシュリンプおススメです。

センジュイソギンチャクほど動かないけど動く

先代のセンジュイソギンチャクは一晩に水槽上部まで移動したりと、その移動に苦労させられました。一方ハタゴイソギンチャクですが、センジュイソギンチャク程動きませんでした。
動いても中央部のライブロックの上を動くくらいですが、動いた後はあまり元気がないように見えます。

センジュイソギンチャク

移動を抑えるには?

イソギンチャクが動く理由はやはり居心地が悪いから。居着いて欲しいところが快適な環境になるようにして移動を抑えたいところです。
そうしないと、イソギンチャクの触手の毒で弱ってしまうサンゴ等を飼うことができません。

光を当てる

ハタゴイソギンチャクも光が必要です。照明目掛け伸びているように感じたので、光が足りないと思い、スポット照明を追加して居着いて欲しい場所に当てるようにしました。
このスポット照明を設置してからあまり外れるようなところへの移動は今のところ無くなりました。

植木鉢作戦

根本にもこだわりがあるそうで、自然界ではライブロックの凹地に入っているそうです。ネットで検索してみると、植木鉢がいいそうで植木鉢ごとレイアウト変更もできるそうな。
早速素焼きの植木鉢、売り場で1番小さなものを買ってきて、ハタゴイソギンチャクを入れてみました。
植木鉢内側に貼りついてくれたものの、居心地が悪かったのか数日後に出て行ってしまいました。
ライブロックと違って凸凹が無く、また植木鉢の中がスカスカだったので、小さいライブロックを入れてそのままにしています。近いうちに入ってくれることを夢見て。

植木鉢に貼り付いたものの、想像してたのと違うんですけど。そんなに伸びないでほしい

昼間は伸びてしまっていたハタゴイソギンチャクですが、照明落ちた後は縮んで植木鉢にすっぽり。カクレクマノミ達もぴったり密着してお休みモード。

数日後に見ると植木鉢から出てしまいました。
ただすぐ横のライブロックに張り付いているので、戻ってきてくれることを信じています。

2022年3月現在は植木鉢には入ってくれていませんが、もう3か月ほど動いていません。
どうやら気に入ってくれたようです。動かなくなると触手の盛り上がりなどをみても調子が良さそうです。

2022年7月
22年9月

ハタゴイソギンチャクの裏側【追記 ’22/9】

水流に気を付ける

水流もポイントになります。ハタゴイソギンチャクはある程度水流になびいて揺らめくのが良く、あまり強い水流が当たると嫌がって移動します。
今は壁に一度当てて弱まった水流が当たるように、水流ポンプの位置を調整しています。

ハタゴイソギンチャクへのエサやり

ハタゴイソギンチャクにはたまに(1週間に一度程)エサをやっています。最初は刺身の残りの白身魚などあげていましたが、もったいないので最近はもっぱら冷凍のシーフードミックスをあげています。
冷凍シーフードミックスにはイカ、エビ、あさりが入っているのですが、あさりはお好きでは無いようで、ぽいっと捨てられてしまいました。

イカやエビは飼育水の海水で解凍し、ピンセットで口元に持っていきます。すると触手をうまく使って口に運んで20分ぐらいで食べ切ってしまいます。
ただ、あまり冷凍焼したイカはお気に召さなかったようで、一度口に入れた後に吐き出していました。イソギンチャクのくせにグルメなようで。

イカを与えた時。画像の時は大きい塊のままですが食べにくそうだったので、最近は解凍後少し小さく切って与えています。

ハタゴイソギンチャク導入時の失敗

先代のセンジュイソギンチャクが⭐︎になった当日、カクレクマノミ等がちょっとパニック状態で落ち着かずかわいそうなので、ちょうどイソギンチャクのセールをやっているアクアマリンでこのハタゴイソギンチャクを買ってきました。
もう少し小型のが欲しかったのですが、大きいサイズにいい状態のハタゴイソギンチャクがいたのでそちらを買ってしまいました。7,000円でした。相場にしてはずいぶん安かったと思います。

2020年7月18日にハタゴイソギンチャクをお出迎え

2時間ほど水温合わせし、サンゴが遠くなるようにライブロックを並べなおした右側に投入。
このハタゴイソギンチャクは付いていたライブロックごと売ってくれたので、配置も楽でした。触手に毒があるのでビニール手袋をして設置しました。

程なくして綺麗に開きました。直径30cmくらい。
カクレクマノミは興味があるようだが、近くを泳ぐけどなかなかイソギンチャクには入っていかない。
うちの子はハタゴイソギンチャクには入らないのか?と心配していたところ、ライトが消えたらぱっと中に入り、それからは中をいろいろ点検していました。

初日を経過し、1番心配していた導入時はうまくいったと思っていたのですが、数日後見てみると口から大量の吐瀉物が。。
おそらく環境の変化にストレスを感じ、褐虫藻を吐き出していたものと思われます。
夜には信じられないぐらいに縮み、翌日も大して開かなくなりました。⭐︎になったセンジュイソギンチャクの最後に似ていましたので、ダメだったか、ハタゴイソギンチャクはやはり難しいと痛感していました。

ハタゴイソギンチャクはセンジュイソギンチャク程夜は巾着状態にはなりませんでしたが、この時は明らかに弱っている感じ。
カクレクマノミもとても入れる状態ではなく、付近をおろおろしておりました。

2020年8月10日

昼照明がついても開きは全然小さく、触手も細くくたびれたモップ状態。
これはダメだと思いましたね。

しばらく放置すると徐々に膨らむようになり、ちょこちょこエサを与えたりして一月後には元の大きさまで復活しました。いやー良かったです。

ただ今思い出してみると、導入時水合わせが少し早かったかもしれません。もう少し時間をかけて水合わせをしておけばダメージ少なく維持できていたと思います。

2020年9月27日

失敗
イソギンチャクの水合わせはしっかりと行うこと

口から茶色いものが。。

ハタゴイソギンチャク導入時に口から大量の褐虫藻を吐いて弱ってしまったことがありましたが、少量なら正常時にも吐くことがあります。なぜかそれをカクレクマノミが食べてしまいます。カクレクマノミは肉食だと思っていたのですが。
そのシーンをたまたま動画で撮れたのでアップしました。
映像的にはちょっと気持ち悪いですが。

ハタゴイソギンチャクも水流ポンプに巻き込まれる

センジュイソギンチャクと違ってあまり動かないハタゴイソギンチャク。数カ月同じライブロックにはりついて動く様子が無かったので、ライブロックごと水槽の右側に設置した。
数日後水流ポンプに触手を巻き込まれているとの連絡が妻からあった。

水流ポンプとハタゴイソギンチャクはかなり離れていたはず。だが次に送られてきた写真を見て絶句。

え、こんなに伸びるの?
光を求めて伸びたっぽいですね。

海水も濁り、スキマーは汚水カップから汚水があふれんばかり。

また元の位置に戻しました。

1年飼育してみて

ハタゴイソギンチャクの飼育も1年を越しました。最初やばかったのですが、その後は特に崩れることもなくうちの水槽の主役となっています。
センジュイソギンチャクのように動きすぎて水中モーターに擦られたりすることもなく、飼いやすいと思います。
ただし、導入時に比べると触手が細くなったり、傘の部分も薄くなってしまいました。
また色も白っぽかったのが、茶色くなった気がします。

導入時
1年後 触手が細い
2年後

ハタゴイソギンチャクの固定化 2023/5 追記

ハタゴイソギンチャクはもう1年半程同じ場所に留まってくれており、おかげでスターポリプ等のサンゴも追加することができました。頻繁に移動を繰り返していた時は毎朝心配で見たものです。
一応彼(彼女?)のお気に入りの住処条件を満たせているようです。

お気に入りの住居条件

水質などいろいろあると思いますが、私がいろいろ見てきた中では下記が重要かと思います。

  1. 光の強さ
    ハタゴイソギンチャクは浅場も好む光好きです。価格や水温上昇等の問題があるので我が家ではメタハラではなくLEDで対応していますが、ハタゴイソギンチャク用にLEDスポットライトを当てています。それでも水面まで伸びてくるので光は重要です。
    上の記事であるように、底面に近い場所へ移動させたら水面に向かって思いっきり伸びていましたし。
  2. 活着場所
    活着場所というか活着している周囲のところです。
    イソギンチャクはキノコのようになっており、傘の場所に触手がありますが”柄”のところは触手がありません。ここをライブロックで覆ったところ動かなくなりました。
    おそらく”柄”の部分は弱いところでそこが防がれていることで安心しているのではないかと推測しています。

ライブロックは消耗品

ハタゴイソギンチャクの住居のため今のレイアウトになっていますが、ライブロックは徐々に小さくなっていきますのでレイアウトが維持できなくなります。
前はライブロックしか入れていなかったのですが、中心部には大き目の普通の岩を入れて支えています。岩なら小さくなったりしませんので。
周囲をライブロックで覆っているレイアウトを取っています。

ハタゴイソギンチャクが大きくなっていたのか、ライブロックが小さくなったためか、日中広げた触手がスターポリプの端まで届きそうになってきました。
これではせっかく増殖しているスターポリプがハタゴイソギンチャクの触手の毒でやられてしまいます。
大き目のライブロックでハタゴイソギンチャクの”柄”の部分を覆ってしまいたいと考えました。
ホンモノのライブロックの大きなものはけっこう高く、また欲しい形がなかなか見つかりません。

人工ライブロック

人工ライブロックを試してみることにしました。
美ら海熱帯魚さんに欲しいアーチ状の人工ライブロックがあったので、アーチ型Mサイズを2個注文しました。

さっそく届きました。

下のような形で設置してハタゴイソギンチャクの触手の広がりを抑える目論見です。
人工ライブロックは洗わなくても良いと書いてありましたが、水洗いしました。

ハタゴイソギンチャクには触れられないので、へらを使って触手を抑えながらまずはライブロックをどかし、人工ライブロックを設置していきますが、けっこうハタゴイソギンチャクの”柄”の部分が太く上記の目論見通りには設置できませんでした。

こんな感じで設置。適度に凸凹があり固定はしやすいです。
真っ白で目立ちますね。
ただ時間がたってくると石灰藻が付着し、ライブロック化していくとのことなので楽しみです。

一番開いた時でも右下のスターポリプとはかなり距離を稼げたので良かったです。
光もしっかり当たるようになりましたし。

まとめ

SON
SON

飼育が難しいと言われているハタゴイソギンチャクですが、私でも1年間維持できています。カクレクマノミとの共生も、ほんとにカクレクマノミとがリラックスしているようで、見ていてほっこりします。
今後移動しなくなるよういろいろ研究していきたいと思います。

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