バイクの電力はエンジンにより発電され、ライトなどの電装品に給電しつつ12Vバッテリを充電しています。電装品の消費電力とのバランスで発電機の仕様は決まっていると思いますが、私はフォグライトを勝手に追加しましたので、車両の電力バランスがどうなっているか、電圧計を見ながら検証しました。
スーパーカブ(JA44)電力マネジメント(電圧変動)について
スーパーカブ(JA44)ではエンジンにジェネレータ(発電機)が付いており、エンジン回転と共に発電機が回り交流電力が発生します。これをレギュレータという機器で直流に変換し、12Vバッテリの上限電圧14.4V以下になるように制御して車両に供給します。
発電機の性能は、オプション等想定される電装品の消費電力を少し上回るくらいで決めます。多すぎるとその分余った電力を熱で捨てるだけなので、燃費が悪くなるからです。
オプションでけっこう電力を消費するグリップヒーターが付いている我が家の赤カブには40W近いフォグライトを追加で付けたため、電力マネジメントが心配になりました。
電圧計を設置
電圧変動を把握するには電圧計が手っ取り早いです。
電圧も見れる時計を装着してるのでこちらで確認していきます。
時計とはスイッチで切り替えられるので、ずっと電圧計表示ができる時計です
過去に電圧変動で苦労した話
15年くらい前にに初大型バイクのVFRを中古で購入しました。さっそくあちこちツーリングに行きました。
ある時、早朝から新潟県の三国峠まで走り回り、夕方帰りの関越道の高坂SAで給油し、さあ帰ろうとエンジンを掛けようとしたら全然セルが回りませんでした。今まで走ってきたのにと混乱。乗り始めたばかりとあって原因が分からりませんでした。
ガソリンスタンドで借りたバッテリ充電器も、バイクには端子が大きすぎてうまくはまりません。
結局どうしようもなく、レッカーを呼んでバイク屋まで運んでもらいました。
結局2時間ガソリンスタンドで待ち、レッカー代2万円という大変な思いをしたことがあります。
バイク屋での調査の結果、エンジンが急にかからなくなった原因は12V直流を作るレギュレータレクチファイアが走行中に故障し、バッテリに充電ができなくなり、バッテリが空になってエンジンがかからなくなった、ということでした。
高坂SAで止まらずに走行してたらバッテリが空になり、電装系が止まり途中で止まっていたかもしれません。
レギュレータレクチファイアを交換し乗っていましたが、バッテリがダメになったり、後で取り付けたしたHIDライトのユニットが故障したりと続きました。
おかしいと思い、自動車用の電圧計をつけてみると、走行中に電圧が11~16Vくらいまで上下してました。ネットで調べるとVFRのレギュレータレクチファイアは壊れやすいとのことでしたので、また壊れたようです。
そこでFET方式になり壊れにくくなったCBR1000RRのレギュレータレクチファイアに自己責任で交換してみました。そのあとの走行では電圧がびたっと14.1~14.4Vの範囲に収まり、電装品は壊れることはなくなりました。
車両の電圧は重要だなと痛感させられた経験でした。
この件も含め、電圧計を取り付けることでトラブルを回避できたり、原因を究明できたりしますので、おススメです(最近のバイクはそう壊れませんけどね)。
電圧値がおかしい
カブの話に戻ります。
電圧計を付けて1週間、走行中の電圧値を見ながら走っていました。
すると60㎞/hで走っていても電圧値は最大で13.0Vまでいきません。
これはおかしいです。13Vではバッテリにしっかり充電できていないことになります。また後付けしたイカリングライトくらいで1Vも下がらないと思いました。
電圧計の電圧値と12Vバッテリの端子電圧をテスターで見ながら比べてみました。
電圧計が13.0Vの時、バッテリ端子電圧は14.0V。
思ってた通り、バッテリへの電圧印可は正常であり、電圧計の表示が1V程低く表示されていました。
電圧測定ポイントについて
電圧値は精度よく測定できるものなので、電圧計異常を疑う前に電圧計測しているところ自体が電圧降下していると思い、配線図を再確認しました。
今電圧計を接続しているのはハンドル下から電源取り出しハーネスで分岐したACCと常時12V線です。
(この電圧計がどちらの電圧値を表示しているかはわかりませんが、おそらくはACCの方かと思います)
GND線はバッテリから新たに引いていたので、+側ハーネスに1V降下分の抵抗がのっていそうです。
電圧測定ポイントを変更
ACC、常時12Vどちらの電圧を電圧計に表示しているのか分かりませんでしたので、両方ともバッテリから太めの線でフォグライト取り付け時に引いた配線に接続し直しました。
配線修正後電圧をチェックすると14V表示になりました。これでバッテリにかかる電圧をしっかり確認することができます。
各シチュエーション時の電圧降下調べ
電圧計を配線し直して改めていろいろなシチュエーションでの電圧値を見てみました。
バッテリの状態とかエンジン回転数、シチュエーションが変わってからの時間等変動要素はあるのですが、だいたいの平均値となります。
イカリングのみ | フォグライト | グリップヒーター(出力MID) | |
アイドリング | 13.8V | 13.5V | 13.4V |
走行中 | 14.0V | 13.7V | 13.6V |
停止中(ブレーキ) | 13.0V | 12.5V | 12.2V |
グリップヒーターはよく使う中間位置(インジゲーター2灯)での値ですが、思ったより電圧降下は小さかったです。出力MAXにしても電圧変動はほとんどありませんでした。
フォグライトはさすがに電圧降下が大きく、走行中でも0.3V近く落ちることがわかりました。
ブレーキランプ発光時の電圧降下が大きい
電圧降下が一番大きいのはブレーキ時(ブレーキライト点灯時)です。信号待ちの時はどんどん電圧が下がっていき、12台まで下がることがわかりました。
ブレーキバルブは12V 18/5Wタイプですので、ブレーキ時は18W消費しています。
停車時はバイクの発電量が減るので、ブレーキランプによる電圧降下はかなり大きく感じます。
フォグライトでの電圧降下分を補う分、対策をおこなった方がいいかもしれません。
JA44 ブレーキランプの形とLED化検討
停止時の電圧降下を抑えるにはブレーキランプの消費電力を下げるのが効果的です。
対応手段は高効率なLEDに替えて消費電力を抑えることぐらいかと思います。。
まずは今ついているブレーキランプの形状を確認します。
JA44といっても前期型はブレーキランプはスエッジタイプだったりします。赤カブは電球バルブ型でした。
バルブ固定のピンが互い違いになっているタイプです。低い方が下側になってました。
ということで、ここに嵌るLEDがあれば一番楽です。
明るさも暗くないと言われているM&Hマツシマのブレーキランプはピンの位置によりいろいろな型番が存在します。ナンバー灯は白LED、他は赤LEDで作られているからですね。
低ピンが下、いわゆるナンバー側になる赤カブに適応するのはL8184という型番のようです。
M&Hマツシマ L8184 R&W L・ビーム (12V) R&W L8184RW
というわけで買って取り付けました。
まとめ
JA44カブの電圧がシチュエーションによりどう変化するか調べてみました。
搭載している12Vバッテリの状態や電装品にもよりますが、私のカブは追加でフォグライトを装着しているのにも関わらず、だいたい12~14Vの間でした。これなら問題ないかなと思います。
余談ですが、小型で高出力で定評のあるAnkerのUSB電源にピカチュウモデルがあったので即買いしてしまいました。TypeAとTypeC両方あるのがいいです。
コメント
Ver2の方、電圧計、バッテリー直付けになってませんか?
コメントありがとうございます。ヒューズの後ですがバッテリー直です。