水耕栽培オーバーフローシステムを作る【水供給頻度を下げる】

家庭菜園のススメ

水耕栽培はどんどん水が減ってきます。水位が下がると根が水から出てしまって傷んでしまいます。それを防ぐには毎日水位を確認して定水位まで供給しなければならず、私にとっては面倒くさいです。
水が減っても水位が下がらず、水供給の頻度を下げられるオーバーフローシステムを紹介します。

この記事で分かること
オーバーフロー式の水耕栽培システムの作り方について

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水耕栽培オーバーフローシステム

水耕栽培を初めて一番の困りごとは水の減りが早いことです。45Lのボックスにトマトときゅうりの2株で水耕栽培をやった時では、夏場茂っている時で三日ほど放置するとボックスの半分くらいの水位になっており、根ももちろん水から出てしまっています。
毎日水を供給できればいいのですが、なるべくサボりたいので供給タイミングは増やしたくない、ということで、水位を一定に保つオーバーフロー方式の水耕栽培にグレードアップしました。

水耕栽培するボックスの下に同じようなボックスを設置し、ポンプで水を上のボックスに汲み上げ、規定の水位から溢れる分をしたのボックスに戻すというモノです。

電源BOX追加

水中ポンプを使いますので、電源を引っ張ってこなくてはなりません。
車庫の横に屋外電源来ているので、そこから引っ張ります。
水ポンプとエアー供給用で二口用意します。

コード付き防雨電源ボックスというのがあったので、購入して取り付けてみました。
ステンレススクリュ3箇所で壁に固定します。

これで水耕栽培の近くで電源の確保ができました

オーバーフローシステム作製

オーバーフローシステムを作っていきます

材料用意


用意するもの
・45Lの蓋付きボックス 2個
・ボックスを設置する台
・水ポンプ Rio +1100
・エアーポンプ(ホース、逆止弁、エアーストーン)
・TS継手 バルブ用ソケット(A形) TS-VS-13 2個
・TS継手 水栓エルボ TSWL13 2個
・塩ビパイプ φ13mm 100mmほど
・塩ビパイプ用接着剤
・パッキン PP40-30X20 2個
・ホース 内径18mm 長さ1mくらい
・ホース 内径13mm(普通の園芸用ホース) 長さ2mくらい
・素焼き植木鉢 2.5号 2個
・スポンジ

必要工具
・パイプカッター
・ハサミ(パイプ切断用)
・ホールソー 
・インパクトドライバー(長年使えるコード式を私は使っています)

オーバーフローシステム作製

では作製していきます。
まずはボックスに20㎜の穴を開け、塩ビのソケットに内径20㎜のパッキンを挟みボックス内側から差し込みます。
外側は水栓エルボに、13㎜の塩ビパイプを長さ50㎜くらいにパイプカッターで切り出して接着剤を塗って接着。
ボックスを挟んでソケットとエルボを接続します。

上のBOXのエルボから出ている塩ビパイプと下のBOXの塩ビパイプを内径18㎜のホースで長さを調整して繋ぎます。

このパイプを通って上のボックスから水がオーバーフローして下のボックスへ帰っていきます。

写真の都合上パイプが前になっていますが、実際は後ろ側

上のボックスのソケット取り付け位置は上面から深さ60mmの位置でうまくいっています。
その位置が水面になりますので、もう少し上にエアーチューブ用の穴を通してエアーチューブを通します。虫やナメクジ等入らないようにぎりぎりの穴径にします。

エアーチューブにエアポンプをつなげます。位置が水面より低くなる場合は逆止弁を忘れずにつなげます。
エアポンプに屋外用はあまりないので、ペットボトル等を使って簡易防水ケースを作ってます。

下のボックスにポンプのRio+1100を入れ、配線用の溝を切り、ホース用の穴を開けホース上のボックスまで通します。上のボックスの蓋に穴を開け、そこにホースを入れています。

ホースを通す穴は上のボックスから帰ってくるソケット位置より上に開けます。
(最初失敗して穴位置を変更しています)

ここで水を入れてポンプを稼働させてうまく水が流れるか確認します。
上のボックスの水位が高くなるようだったら(揚水量>オーバーフロー水量)、Rio+1100のバルブを使って揚水量を調整します。

次に上のボックスの蓋に植木鉢が乗るように穴を開けます。
素焼き植木鉢 2.5号が入りつつ水に浸からないようにします。(素焼き植木鉢が常に水に浸かっていると割れやすくなります)
色々調整した結果、上蓋に65mmの穴を開けています。2株使えるように2箇所開けています。

両方のボックスにしっかり蓋をすればオーバーフローシステムの完成です。
これで水が減っても上のボックスの水位は一定の位置を保ちます。
養液の補充は下のボックスの減っている分を供給すればOKです。空っぽまで放っておくとポンプが傷んでしまうので、下のボックスの水位1/3くらいになったら養液を供給します。
真夏でなければ週一回でOKです。これで手間が減りました。

苗をセットする

早速苗をセットします。
ミニトマト(アイコ)ときゅうりの苗を買ってきました。
水に浸けたりして苗の根から土をしっかり取り除きます。

植木鉢の穴に苗の根を傷つけないように通します。
食器洗い用の100円ショップで購入のスポンジに切りこみを入れ、苗を挟んで植木鉢の中で固定させます。
上のボックスに設置します。

水を入れ液肥を入れます。今回のシステムは45Lボックス2個を使っていますが、満水ではないので約80Lとしてハイポニカを各液160cc測って入れます。雨水タンクがあると便利です。

夏は直射で水タンクの水温が上がりすぎないように、日除けシートをかけておきます

今後していくこと

後は成長していって美味しい野菜をつけてくれるまで待つのですが、水耕栽培のやっていくことをまとめました

養液を足す

苗が成長していくと養液を消費していきます。下のボックスを覗いて減っている分養液を足します。
ハイポニカは水10Lに各養液を20ccずつ入れて養液を作ります。

夏場は苗も大きく成長して養液の消費が半端ないスピードになります。サボってると下のようにボックスがほぼ空に。でもオーバーフローなので上のボックスはしっかり水位があります。

夏場は1ヶ月に1度水替えをする

野菜にもよると思いますが養分の消費スピードの差や雨水の混入により養液の濃度が変化していきます。たまに水を前交換します(養液消費の激しい夏場は月に一度くらい)。
風呂水ポンプ等で水を全部出して、また新たに養液を入れます。
抜いた養液はまだ栄養分ありますので、庭に撒いてます。

養液が急に減るトラブル

久しぶりに水位を確認するとほとんど空で揚水モーターがからからいっていたので、こりゃいかんと急いで養液を補充。
次の日見るとまた空まで減っていたので、どこか漏れているのか心配になり調べました。

よく見るとボックス周辺が濡れている。でも今は漏れていない。

この事象が起きた時、ポンプの元電源を切って電動工具を長時間使っていました。
事象は
1:電動工具を使うので、元電源を抜く → 揚水ポンプが止まる
2:揚水ポンプにつながっているホースの中の水が、サイフォンの原理で引っ張られて下のボックスへ移動。
3:上のボックスのホースが水面から出て空気を吸い込むまで水が下に移動。当然ボックスから養液があふれる。
4:電動工具を使い終わり、電源を入れなおすと揚水ポンプが稼働。
5:下のボックスの養液が上げられるだけ上のボックスに移動  ←いまここ

停電でもこうなってしまうので対策します。
上のボックスに入っている揚水ポンプからつながっているホースの水面付近のところにドリルで穴を開けます。すると水面が下がってその穴が水面から出ると空気を吸って水の移動が止まります。

まとめ

苗はすぐに水耕栽培に適した白い根を伸ばしてきます。この生命力はすごいですね。

SON
SON

オーバーフロー式水耕栽培システムの紹介をしました。一度作ってしまえば毎年使えますし、手前のも大幅に削減できます。楽にしないと継続しにくいですからね

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